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高経年マンションの長寿命化改修工事等を国が支援する補助事業がスタート

築40年超の高経年マンションが今後急増する見込み

国内のマンションストック数は約666万戸にのぼり、国民の1割以上が居住する重要な居住形態となっています。 このうち、築40年超のマンションが約92万戸あり、10年後には約214万戸、20年後には約385万戸と、今後急増することが見込まれています。建設後相当の期間が経過したマンションでは、建物・設備の老朽化等が生じており、維持管理の適正化や再生の円滑化に向けた取組みの促進が求められています。

「マンションストック長寿命化等モデル事業」

令和2年度に創設された「マンションストック長寿命化等モデル事業」は、今後増えていく老朽化マンションの再生検討から長寿命化に資する改修や建替え等を行う先導的な再生プロジェクトを民間事業者から募集し、その費用の一部を国が補助することにより、優良事例・ノウハウを収集し、事業の成果等を広く公表し、高経年マンションの長寿命化や再生の取り組みを全国に広めることを目的とした補助事業です。

事業の段階に応じて『計画支援型』『工事支援型』2つの事業タイプ

(1)計画支援型[事業前の立ち上げ準備段階への支援タイプ]
先導性の高い長寿命化等の改修や建替えに向けた事業を実現するために必要な調査・検討等の準備段階の取組が対象です。

(2)工事支援型[長寿命化等の改修工事や建替工事の実施段階への支援タイプ]

 ① 長寿命化改修工事
老朽化マンションの長寿命化に向けて、先導性が高く創意工夫を含む改修や修繕の取組が対象です。

 ② 建替工事
長寿命化改修工事を行うことが、経済的に不合理なケースや、区分所有者の合意形成の状況等によっては建替えで再生を図ることが合理的であるケースとして有識者委員会で認められた場合には、一定の要件を満たす建替工事については、支援対象となります。

工事支援型(長寿命化改修)の概要① 〜対象事業者・補助対象費用〜

■対象事業者
施工業者又は買取再販業者(グループによる提案も可)
応募段階で補助事業者が確定していない場合に限り、マンション再生コンサルタント、設計事務所、管理会社、管理組合からの提案を受け付けます。ただし、前述の者は補助事業者になることはできませんので、採択後に補助事業者を確定させる必要があります。

■補助対象費用
次に掲げる費用の合計の3分の1以内の額
① 調査設計計画に要する費用
② 長寿命化に資する工事のうち先進性を有するものに要する費用

工事支援型(長寿命化改修)の概要② 〜事業要件〜

  1. 25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定していること
  2. 修繕積立金額が長期修繕計画額と概ね一致している、もしくは計画より余裕があること
  3. 区分所有者が10人以上であり、耐用年数の2分の1を経過していること
  4. ライフサイクルコストの低減につながる長寿命化改修であること
  5. 新たな技術の導入や工期短縮に資する工法の工夫があること
  6. 地方公共団体が関与する要件として、マンション管理に関する計画や条例等を策定している (策定見込みを含む)自治体で行われる事業であること

従来はあまり取り組まれていない先導的なテーマの例

■マンションの長寿命化に資する新しい工法・材料の導入や技術的に難しい改修工事
【例】
・大規模修繕の周期延長につながる耐久性の高い新材料を用いる
・住戸スラブ下の専有部分に配置されている住戸配管をスラブ上の専有部分に移設する等

■多様な居住ニーズに対応する住戸改善の改修工事
【例】
・単身高齢者等の小規模世帯に対応した1戸→2戸への変更工事
・住戸数を減らして子育て世帯向けに居住面積を広くする改修工事等

■防災生を向上するための改修工事
【例】
・浸水想定区域内において、マンションの地下に設置された電気設備を浸水のおそれのない上階に移設する場合や、浸水防止のための対策や非常用電源を確保する工事等により、総合的にマンションの防災生を向上するための改修工事等

■地域づくりの観点から新たな機能を導入する改修工事
【例】
・空き住戸を転用して、子育て支援施設や高齢者支援施設等の地域機能を導入する工事
・地方公共団体と協定締結した災害時の一時避難施設として、備蓄倉庫等を新たに設置する工事 等

提案が採択されれば、大規模修繕工事に国の補助金が支給

今回は事業タイプ「工事支援型(長寿命化改修)」について詳しくご紹介しましたが、「マンションストック長寿命化等モデル事業」の応募提案については、国立研究開発法人建築研究所が学識経験者等からなる「マンションストック長寿命化等モデル事業評価委員会」による評価結果を踏まえて、国土交通省が採択事業を決定します。提案が採択されれば、大規模修繕工事に国の補助金が支給されることになり、工事費を圧縮することができるのでぜひご相談ください。


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