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「災害に強いマンション」― 非常用発電設備の能力向上

既存マンションの災害対応力を強化

現在、私達の日常生活は電気・ガス・水道・通信等の公共インフラに強く依存しています。この公共インフラが、地震や大型台風、豪雨などの大きな自然災害に対応できず、広範囲かつ長期間にわたる停電などがここ数年相次いでいます。マンションでは照明やエレベーター、給水等が停止し、生活継続が著しく困難になるケースが発生しています。シミズ・ビルライフケアでは同社のノウハウと清水建設の知見を活かし、災害により公共インフラが途絶えたなかでも生活を継続できるよう、既存マンションの災害対応力強化に取り組んでいます。

生活継続に欠かせない「電気」の確保

災害発生後の生活継続に欠かせないものの一つが「電気」です。東京都港区の築40年超のSマンション(13階建て)では、停電対策として非常用発電設備の能力を向上する工事を同社が手掛けました。従来設置されていた受水槽を撤去し、そのスペースを使って非常用発電設備を大型化することで、非常照明、非常用エレベーター、各種ポンプ類等の運転を72時間程度維持できるようになったのです。これにより、真っ暗な部屋で生活する、住居と地上を階段で往来する、断水で水が使えないといった、停電によって生じるリスクが大幅に改善されました。

マンションの災害対応力を高め、資産価値を向上

築40年を超えるSマンションのような高経年マンションでも、災害対応力を強化することで資産価値を向上させることができます。その際に同社が参考にしているのが、清水建設も会員となっている新都市ハウジング協会で開発した生活継続力評価システム「マンションLCP50+50」です。オフィスビルの緊急事態に備えるBCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)のマンション版であるLCP(Life Continuity Planning:生活継続計画)という考え方を基にしたツールで、地震の被害軽減のためにやっておくべき50項目、災害後の生活を継続するための50項目に答えることで、マンションの対策・備えの有効性を分析し、その結果をレーダーチャートで表すことで、災害対応力を客観的に把握することができます。

新しい価値を含んだ「ヴィンテージマンション」へ

今後ますます増えていく高経年マンションを健全に流通させ、売買や相続に結びつけるために重要な要素が、上述の災害対応力です。LCP対策工事により災害対応力向上を達成した高経年マンションは、「ヴィンテージマンション」という新しい価値を含んだカテゴリーとして認知され始めています。昨今しきりに話題となっている「人生100年時代」に向け、長く住み継がれる安心・安全な「ヴィンテージマンション」を増やしていくこと、その一翼を同社は担っています。

営業部  担当者:苑川、大城
TEL:03-6228-7836