商業・公共施設併設の複合型タワーマンションも技術力で対応
商業施設併設&交通機関直結:
都市部の複合型超高層タワーの代表
ムーンアイランドタワーは、都営地下鉄月島駅の直上に建設され、共同住宅をメインに商業施設(スーパーマーケット・飲食店・医療施設)、行政施設(保育園・中央区保健センター)を併せ持つ複合型の超高層タワーションです。都市部の超高層タワーマンションでは、商業施設が併設されるか、交通機関(地上電車・地下鉄)と直結している場合がありますが、本物件はその二つを兼ね備えた代表的な建物と言えます。
このような建物では、マンションの居住者以外の人が頻繁に往来するので、工事計画を立案する際には、安全対策は勿論ですが、商業施設の営業にも影響が出ないように検討する必要があります。通常のマンションの工事計画とは異なる難しさを、今回実施した工事計画の一端を例にとって紹介させていただきます。
【大規模修繕工事概要】
・躯体補修工事
・外壁シーリング更新工事
・塗装補修工事
・バルコニー他防水工事
・床シート貼り替え工事
・その他の工事
地下鉄利用者同線を妨げない、夜間に騒音・振動を出さない
【地下鉄連絡通路出入口付近の工事計画】
本計画では、建物と地下鉄連絡通路が接続されているため、地下鉄利用者動線の妨げにならない事と夜間に騒音・振動を出さない計画が必要となりました。
《検討・問題事項》
① 地下鉄連絡通路営業に伴う作業時間の設定
② 動線を分断しない計画(迂回通路の可否及び仮設方法及び工法
③ 夜間騒音、振動が伴わない仮設及び補修工事方法
【解決案・方法】
① 夜間作業の実施
地下鉄との事前協議を経て、連絡通路出入口閉鎖後に付近を通行止めにして作用を実施する。
(終電〜始発までの作業25時〜4時30分)
② 動線は必ず確保するため、現状2方向(エスカレーター・階段)通行の片側を通行止めにして工事を実施する。
② 迂回ができない場所については、移動可能な仮設(高所作業車)物を使用する。
③ 壁から繋ぎを取らない仮設計画(壁・壁間で突っ張りを入れて固定する)及び高所作業車を使用する。
不特定多数の人の往来、多様な要求があることを考慮して計画
商業施設及び公共施設が設置もしくは隣接している場合は、不特定多数の人が往来することと、多様な要求があることを考慮して、計画する必要があります。
具体的には、現地調査から始まり、業態(営業時間・範囲・騒音の可否等)の確認、工事計画の立案、打ち合わせ、承認、広報と、それぞれの関係者との調整に時間がかかる作業となります。
また、大前提として各関係者の了承なしでは工事は進められないので、工事工程ではあらかじめ中盤以降に施工することに決めておくことで、十分な準備時間を確保することが重要になります。
最後にマンション修繕工事は新築工事と異なり、作業範囲内に不特定多数の人がいるため、作業員の安全と共に第三者の安全にも考慮する必要があります。従って、工事計画は綿密に且つ関係者の了承が得られるように、余裕を持った検討時間を作ることが大切です。